海外FXでトレードする際、テクニカル分析指標をうまく活用すれば成績が上がります。
テクニカル分析指標はさまざまありますが、中でもMACDは非常に人気が高いです。
実は、MACDはヘッジファンドのプロトレーダーも活用するくらい利用価値が高く、また利用するトレーダーが多いことからチャート上で反応しやすいメリットもあります。
今回は、海外FXトレードで初めてMACDを利用する人からすでにMACDを使っているトレーダーまで、確実に役立つ知識から取引手法まで徹底的に解説していきます。
- MACDの基本応用知識
- MT4/MT5/ TradingViewでMACDを設定する方法
- MACDのメリット・デメリット
- MACDの有効的な使い方
- MACDを使ったオリジナル取引手法
MACDとは?
MACDの正式名称は【Moving Average Convergence Divergence】です。

直訳すると移動平均収束拡散という意味よ



MACDってどうよむのかしら…



MACDは「マックディー」とか「エム・エー・シー・ディー」と読むからそのままといえばそのままだね
MACDの開発者は米国の投資顧問会社のシグナラート・コーポレーション社に勤務していたジェラルド・アペル氏です。
ジェラルド・アペル氏は、2020年5月に没しましたが、精力的に活動を行ったこともあり「テクニカル分析指標に革命を起こした」とさえ言われているお方です!
実際、MACDは(後述しますが)初心者でも簡単に活用できるうえに難しい設定がないのが人気の理由でもあります。
一方で、エントリータイミングを一目で把握できる効果を得られ、初心者にも熟練者にも愛用されています。
MACDがもたらす効果
MACDは、基本的なテクニカル分析指標の移動平均線(Moving Average)を元に作成されました。
移動平均線には、単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)の2種類がありますが、MACDは後者の指数平滑移動平均線(EMA)を使います。
指数平滑移動平均線(EMA)は直近価格を重視した移動平均線。
さらにMACDでは長期指数平滑移動平均線(EMA)と短期指数平滑移動平均線(EMA)の両方を組み合わせるため現在のレートに対して素早く反応します。
トレーダーにとってはエントリータイミングがはかりやすく、スキャルピングやデイトレードといった短期売買でもMACDは効果を得やすいでしょう。
以上のとおり、MACDはテクニカル分析指標の基礎である移動平均線をグレードアップしたテクニカル分析指標になり、多くのテクニカル分析指標の中でも正確さが高いと言われています。
MACDの計算式
MACDの計算式は、以下の組み合わせで成り立ちます。
短期と長期の指数平滑移動平均線(EMA)の乖離がMACDを表します。
また、MACDにはシグナルという線もあり、シグナルの計算式は以下のとおりです。
- シグナル=MACDの指数平滑移動平均線(EMA)
また、一般的にMACDに設定する期間の数値は、以下の通りです。
- 短期指数平滑移動平均線(EMA)=12日
- 長期指数平滑移動平均線(EMA)=26日
- シグナル=9日
計算式に置き換えた場合は以下の通りです。
- MACD=12日指数平滑移動平均線(EMA)-26日指数平滑移動平均線(EMA)
- シグナル=MACDの9日指数平滑移動平均線(EMA)
また、指数平滑移動平均線(EMA)の計算式は以下で成り立ちます。
- n日EMA=(EMAy(昨日のEMA)×(n-1)+P(今日の価格終値)×2)÷(n+1)
このようにMACDは複数の計算式で成り立ちますが、海外FXトレードの取引プラットフォームでは自動で計算されたMACDをチャート上に表示してくれます。



よかった~計算式がわからないと使えないのかと思っちゃった…



そんな心配はいらないよ
ちなみに、計算ができるからと言って、トレード成績が向上するわけでもないので特に気にする必要はありませんのでご安心ください!
MACDの使い方
MACDの使い方を動画にて紹介します。
動画を見ればすぐにMACDを使えるようになるのでぜひ確認してみてください。
MACDの表示方法と数値
MACDの表示方法は取引プラットフォームにより異なります。
ここではMT4とMT5に加えてTradingViewでMACDを表示させる方法を解説します。また、パソコン版とスマホ版では手順が異なるため、それぞれ個別に説明していきます。
MT4/MT5でMACDを表示する方法


- 画面上部の項目の挿入を選択
- インディケータを選択
- オシレーターを選択
- MACDを選択
以上の手順でパソコン版のMT4またはMT5でMACDをチャート上に表示できます。
スマホ版のMT4またはMT5でMACDを表示させる手順は以下のとおりです。


1. 画面上部の【f】マークを選択





まずはオシレータの中からMACDを選択するよ!
以上の手順でスマホ版のMT4またはMT5のMACDをチャート上に表示できます。



これは簡単ね!私でもできるわ♪
TradingViewでMACDを表示する方法
TradingViewでMACDを表示させる手順は以下のとおりです。


- 画面上部のインジケーターを選択
- テクニカルを選択
- Moving Average Convergence Divergenceを選択
TradingViewのMACDは正式名称【Moving Average Convergence Divergence】で登録されているので注意してください。
TradingViewのスマホアプリ版でMACDを表示させる手順は以下のとおりです。





まずは、画面上部のインジケーターを選択


Moving Average Convergence Divergenceを選択
以上でTradingViewのスマホアプリ版でMACDをチャート画面上に表示できます。
MT4/MT5のMACDは線が1本しかない


MT4とMT5はMACDのヒストグラム線が表示されませんが、TradingViewはヒストグラム線が表示されます。
通常、MACDは2本の線が表示されますが、MT4/MT5は1本の線(シグナル線)と棒グラフ(MACD線)で表示します。
棒グラフは一見するとヒストグラム線のように見えるので混同しがちですが、実際はMACD線なので間違わないように注意しましょう。



教科書通りのMACDを利用したい場合はTradingViewのMACDがおすすめよ!
MACDの数値設定方法
次にMACDの数値を設定します。


画像では左側がスマホ版のMACD、右側がパソコン版のMACDです。
どちらも初期設定の数値は同じで、以下のとおりです。
- 短期指数平滑移動平均線(EMA)=12
- 長期指数平滑移動平均線(EMA)=26
- シグナル(MACDSMA)=9
数値は裁量で自由に変えられますが、触らないほうが無難です。数多くのトレーダーが可視化している数値のほうが値動きに反映されやすいためです。
ただ、スタイルやレベルは好みに応じて変更してトレードしやすい環境を整えることは有効的でしょう。
以上の方法でMACDの表示方法と数値の設定は完了するので試してみてください。
MACDの見方
MACDは4種類の線から成り立ちます。
- MACD線
- シグナル線
- ヒストグラム線
- ゼロライン線
いずれか1種類の線を見るだけではうまくトレードできず、複合的に確認することでMACDを有効的に活用できます。
ここでは各種類の線の見方について解説していきましょう。
MACD線


MACD線は、短期指数平滑移動平均線(EMA)と 長期指数平滑移動平均線(EMA)の差をラインで示しています。
MACD線はシグナル線より先に反応する性質上トレンド転換を把握しやすく、トレンドに追従しやすい特徴があります。
シグナル線


シグナル線はMACD線を単純に平均化したラインです。
MACD線よりも遅く反応する特徴があり、基本的にMACD線を短期移動平均線の考えに対してシグナル線は長期移動平均線と考えます。
MACD線に比べてシグナル線の反応が遅いことは決して悪くなく、騙しを回避するためにも両方を上手に活用することが大事ですね。
ヒストグラム線


ヒストグラム線は棒グラフのような形状です



ヒストグラムは日本語訳すると棒グラフのことよ
ヒストグラム線はMACD線とシグナル線の乖離を示します。
たとえば、乖離が広がれば広がるほどヒストグラム線は上下に長く伸び、狭くなれば狭くなるほどヒストグラム線は上下に短くなります。
ヒストグラム線の長短でMACD線とシグナル線の乖離幅を一目で把握できる役割を担っていると覚えておきましょう。
ゼロライン線


MACDのゼロライン線とは、以下の結果起こります。
- MACD線の計算が0になった
- シグナル線の計算が0になった
簡単に言えばMACD線とシグナル線が交差した瞬間がゼロラ
イン。また、ゼロラインになるとヒストグラム線の表示はなく上にも下にも一切伸びていません。
今回用意した画像の中では、赤い矢印の部分がゼロライン線ということです。
ゼロライン線はトレンド転換の攻防ラインでもあり、トレーダーは強く意識するべき部分になるでしょう。
MACDの売買サイン
MACDは明確に売買サインを示します。
売買サインを知らずにMACDを利用するのは意味がなく、絶対に覚える最重要ポイント。
ここではMACDの売りサインと買いサインがすぐに理解できる方法を解説していきます。
MACDの売りサイン
MACDの代表的な売りサインは、以下の3種類を挙げられます。
- MACD線がシグナル線を下抜けした(デッドクロス)
- MACD線がゼロライン線を下抜けした
- 価格は高値更新しているが、MACDの高値は切り下げた状態


上記の画像ではMACDの代表的な売りサイン3種類が複合しています。
結果、一度大きく値下がりしており、MACDの見方を知っていれば売りでエントリーまたは手仕舞いできました。
MACDの買いサイン
MACDの買いサインも売りサイン同様に3種類あります。
- MACD線がシグナル線を上抜けした(ゴールデンクロス)
- MACD線がゼロライン線を上抜けした
- 価格は安値更新しているが、MACDの安値は切り上げた状態


今回用意した画像ではMACDの買いサインの3種類が複合していますし、非常に強いトレンドが発生しました。
ただし、毎回同じ結果になるわけではなく、あくまで上昇する可能性が高いということに注意してください!
たとえば、画像の左のチャートを見てもわかりますが、レンジ相場ではゴールデンクロスやゼロライン上抜けが頻発しています。
複数の判断材料を総合的に判断してMACDを有効的に活用することがトレード成績を上げる第一歩になるでしょう。
MACDを使ったおすすめの取引手法
※オリジナルで取引手法を3種類ほど執筆をお願い致します。
MACDを使ったオリジナル取引手法を3種類紹介します。
ここで紹介するオリジナル取引手法は個人的に効果がありましたが、取引する通貨ペアや相場状況によりかならずしも良い結果を保証するものではありません。
ただ、今回紹介するMACDオリジナル取引手法を改善して、新しいオリジナル取引手法を発見する手掛かりに活用してみてください。
レンジ相場の見極めにMACDを活用


MACDはトレンド相場やトレンド転換時に活躍するテクニカル分析指標ですが、逆にレンジ相場の見極めにも使えます!
画像のように何度もゴールデンクロスやデッドクロスを繰り返したりゼロラインを行ったり来たりしているときはレンジ相場の証拠です。
たとえば、大きく利益を得やすいトレンド相場でしかトレードしないと決めている場合、MACDの状態を一目見ればレンジ相場だと判断できるでしょう。
MACD=エントリータイミングを見るではなく、MACD=相場観察という使い方を活用してみてはいかがでしょうか。
上昇相場のデッドクロスは押し目


明らかに強い上昇相場のデッドクロスは押し目として使えます。
【デッドクロス=売りサイン】という教科書的知識だけではMACDを上手に使えません…
とはいえ明らかに強い上昇相場の見つけ方がわからない場合もあるでしょう。
基本的に明らかに強い上昇相場とは各国の政策や重要経済指標あるいは世界情勢が関わっている場合が大半です。
つまり、MACDにファンダメンタルズ分析を組み込んだ取引手法です。
また、上昇相場ではなく下降相場でも通用するように思えますが、下降相場は「落ちるナイフはつかむな」という格言があるように難しいです。
まずはトレードしやすい上昇相場の押し目にこだわってMACDを活用してみてはいかがでしょうか。
クロス取引で失敗したらその日はトレード禁止
MACDのゴールデンクロスやデッドクロスはトレンド転換を最速でとらえる確率が高い一方、レンジ相場であれば騙しばかり頻発します。
そこで当日中にゴールデンクロスまたはデッドクロスでエントリーして失敗した場合はトレードを禁止します。
禁止する理由は、クロス取引が失敗したということは、トレンド転換ではなくレンジ相場を形成している可能性が高いためです。
レンジ相場では基本的にMACDは役に立たず、運任せのトレードに陥ります。



運任せのトレードはいずれ負けてしまうよ
クロス取引に失敗したときはチャート画面を閉じて次回に備えてみてはいかがでしょうか。
MACDを使うときの注意点
MACDは非常に有効的なテクニカル分析指標です。
しかし、すべての相場に対応できるわけではなく負ける原因になるケースもあります。
具体的には以下の2点がMACDのデメリットです。
- レンジ相場で活躍できない
- ダマシに注意
MACDの2つの注意点について詳しく解説していきましょう。
レンジ相場で活躍できない
MACDはレンジ相場に弱いです。
ここまで何度もMACDはレンジ相場で役に立たないと説明してきました。



こればかりはMACDの性質なので仕方ないけどな…
どうしてもレンジ相場でトレードしたい場合は、MACDに頼らず他のテクニカル分析指標を使いましょう。
ただレンジ相場でコツコツトレードを積み重なるよりも、トレンド相場で一気に利益を得るほうがスプレッドコスト削減につながります。
MACDにこだわるのであれば、レンジ相場は完全に捨ててトレンド相場限定でトレードしてみてはいかがでしょうか。
ダマシに注意
実はMACD、ダマシも頻繁に起こります…
特にレンジ相場ではダマシが多くなりがちですが、トレンド相場でもダマシがありますので、天井や底の判断はMACDだけに頼るべきではありません。
たとえば、上昇相場でデッドクロスして天井と判断した途端ゴールデンクロスになり暴騰するケースも案外起こります。
ダマシを減らすためには、ダブルトップやダブルボトムといった基本的なローソク足の知識を深めることや他のテクニカル分析指標と組み合わせて判断しましょう。
MACDと相性の良い組み合わせ
MACDだけではどうしても判断しづらい相場があります。
海外FXでは数多くのテクニカル分析指標を使え、MACDだけでなく他のテクニカル分析指標と組み合わせてチャートに表示できます。
ここでは特にMACDと相性の良い一目均衡表との組み合わせを紹介しましょう。
MACDと一目均衡表の組み合わせは相性が良い


MACDと一目均衡表の組み合わせは非常におすすめできます。
一目均衡表で見るべき部分は通称【雲】の部分です。
一般的に雲の上にローソク足があれば上昇トレンド、雲の下にあれば下降トレンド、雲の中にあればレンジ相場になるケースが多いです。
MACDと一目均衡表の使い方
これは一例ですが、たとえば、雲の上にローソク足がある状態でMACDがデッドクロスした場合、ダマシの可能性が高いでしょう。
逆にトレンドが弱まってきて雲の下に落ちてきたときにデッドクロスした場合は、トレンド転換のタイミングかもしれません。
今回用意した画像でもMACDのデッドクロスはことごとく押し目になり、エントリーしたトレーダーがいれば何度もダマシに遭ってしまいました。
しかし一目均衡表も組み合わせて表示していればダマシだと判断できたのではないでしょうか。
このようにMACDと一目均衡表は相性が良いので、MACDでトレードするときは参考に一目均衡表もチャート上に表示してみてください。
まとめ
今回は海外FXでMACDを利用する際に知っておくべき基本知識から応用、そしてオリジナル取引手法まで解説してきました。
最後に当記事で解説したMACDの重要ポイントをおさらいしておきましょう。
- MACDはテクニカル分析指標の中でも精度が高い
- MACD線は先に反応する
- シグナル線の反応は遅れる
- MT4/MT5のMACDの線は1本しかない
- MACDはトレンド転換を見極めやすい
- MACDはレンジ相場に弱くダマシもある
- MACD以外の指標を組み合わせて使えば精度がより上がる
以上、テクニカル分析指標のMACDについて解説してきました。
テクニカル分析を使ってトレードをするならXMがおすすめです!
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