ボリンジャーバンドは、テクニカル分析指標の中でも人気が高いです。
初めてテクニカル分析指標をチャートに導入したのはボリンジャーバンドというトレーダーも少なくなく、一度は利用してみたいと考える人は多いかもしれません。
しかし、ボリンジャーバンドは使い方や注意点を正確に理解していないと、使えないテクニカル分析指標になってしまいます。
今回はボリンジャーバンドの基礎知識からチャートへの導入方法、使い方から注意点まで多岐に渡って解説していきます。
- ボリンジャーバンドの基礎知識
- ボリンジャーバンドの導入方法
- ボリンジャーバンドの見方
- ボリンジャーバンドの使い方
- ボンリンジャ―バンドの注意点
下記記事もご参考までに!

ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは、米国の財務アナリスト兼トレーダーのジョン・ボリンジャーが生み出したテクニカル分析指標です。
英字正式名称は「Bollinger bands」で、利用する取引プラットフォームによっては英字表記の場合があるので必ず覚えておいてください!
中央の単純移動平均線と上下に2本ずつある標準偏差という線があり、合計5本線でボリンジャーバンドは成り立ちます。
複数の線がチャート上に表示されるので複雑に感じますが、理屈を覚えてしまえば簡単に理解できます。
初心者トレーダーからヘッジファンドのプロトレーダーまで活用するボリンジャーバンド、絶対に覚えておきたいテクニカル分析指標です。
ボリンジャーバンドがもたらす効果
ボリンジャーバンドは統計学を用いたテクニカル分析指標。
「おおよそ+2σと-2σの線のあいだで値動きするはずだ」と未来を予測しています。
また、+2σと-2σのあいだでの価格推移の確率は95.4%とまで言われ、非常に信頼性の高いテクニカル分析指標です。

95.4%⁉すごく高確率ね!
結局のところFXはトレーダーの誰もが将来の価格を予想して売買を決めています。
ボリンジャーバンドの未来予測の95.4%という数値の確率を信じれば、トレーダーの利益に直結していく可能性が上がるということです。
ボリンジャーバンドの計算式
ボリンジャーバンドの計算式は、標準偏差の計算式と±1σと±2σと±3σの合計4種類。
まずは標準偏差の計算式を以下に示します。
標準偏差=√(n×n日間の終値の2乗の合計-n日間の終値の合計の2乗)÷(n×(n-1))
次に±1σと±2σと±3σの計算式を以下に示します。
±1σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差
±2σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2
±3σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 3
また、ボリンジャーバンドの±1σと±2σと±3σの範囲内で価格推移する確率は以下のとおりです。
±1σで価格推移する確率=約68.3%
±2σで価格推移する確率=約95.4%
±3σで価格推移する確率=約99.7%
以上がボリンジャーバンドの計算式で覚えておく内容です。
ただし、ボリンジャーバンドの計算式を知っていても利益に直結しませんし、各σで価格推移する確率に関しても疑問点が多いです。
ボリンジャーバンドの計算式や確率はあくまで基礎知識として考え、実際のトレードでは売買サインや使い方を中心に活用していきましょう。



この計算方法は無理に覚えなくても大丈夫だよ
ボリンジャーバンドの使い方
ボリンジャーバンドの使い方を動画で解説します。文章だけでは把握しづらい場合、動画を見ることで理解しやすい内容になっています。
ボリンジャーバンドの表示方法と数値
ボリンジャーバンドの表示方法は、利用する取引プラットフォームにより異なります。
この項目では、海外FXで人気の取引プラットフォーム「MT4」・「MT5」・「TradingView」のパソコン版とスマホ版でボリンジャーバンドを表示する方法を解説します。
また、表示方法のあとに各取引プラットフォームにてボリンジャーバンドの設定数値も説明しますので確認しておいてください。
パソコン版MT4/MT5のボリンジャーバンド表示方法


❶ MT4/MT5にログイン
❷画面左上の挿入をクリック
❸インディケータをクリック
❹トレンドをクリック
❺ BollingerBandsをクリック
以上の手順でMT4/MT5にボリンジャーバンドを表示できます。
スマホ版MT4/MT5のボリンジャーバンド表示方法






以上の手順でスマホ版MT4/MT5にボリンジャーバンドを表示できます。
パソコン版TradingViewのボリンジャーバンド表示方法


❷TradingViewにログイン2. 画面上部のインジケーターをクリック
❸ テクニカルをクリック
❹インジケーターの項目をクリック
❺ BB(ボリンジャーバンド)をクリック
以上の手順でTradingViewにボリンジャーバンドの表示ができます。
スマホ版TradingView のボリンジャーバンド表示方法


❶画面上部のインジケーターをタップ


❷インジケーターの項目からボリンジャーバンドをタップ
TradingViewのチャート画面に戻るとボリンジャーバンドが表示されています。
ボリンジャーバンドの数値設定


ボリンジャーバンドの数値は期間と標準偏差を基本的に変更できます。



初期設定の数値は20
これは市場が1週間に5日開いていて1ヶ月にすると20日開いていることから20という数値が設定されています。
理由がなければ期間の数値は20のままで問題ありません。
標準偏差の数値は1であれば1σ、2であれば2σ、3であれば3σです。
初期設定は2の2σですが、これは自由に変更して問題はありません!
ただ、多くのトレーダーは【初期設定の2σ】で取引しています。
理由がなければ標準偏差も初期設定のままで問題ないでしょう。
ボリンジャーバンドの扱いに慣れてきて個別に変更していけば、より優位性のあるトレードができる可能性もあるため、あとはトレーダーの好みの問題です。
ボリンジャーバンドの見かた


ボリンジャーバンドは、チャートの周りにバンド状で表示されます。
上記の画像では、水色の範囲がボリンジャーバンドの上下。
設定した±σが上限と下限で示され、中央のライン(画像ではオレンジ色の線)が単純移動平均線です。
画像でも確認できるとおりバンドの外にチャートが飛び出していることは基本的になく、ボリンジャーバンドの信頼性が確認できるでしょう。
このようにボリンジャーバンドはチャート上に表示され、一目見るだけで把握可能。
ボリンジャーバンドの見方自体は非常に簡単に覚えられますね。
また、ボリンジャーバンドは3種類の用語があります。
- スクイーズ(バンドが狭くレンジ相場の状態)
- エクスパンション(バンドが拡張を始めるトレンド初期の状態)
- バンドウォーク(上下どちらかに明らかなトレンドが発生した状態)
用語自体は覚えなくてもボリンジャーバンドは使えますが、ボリンジャーバンドを当たり前に活用するトレーダーは3種類の用語を使用しています。
セミナー等でも3種類の用語は飛び交うため、ボリンジャーバンドを使うトレーダーは覚えておく価値があるでしょう。
ボリンジャーバンドの売買サイン
ボリンジャーバンドの売買サインは、レンジ相場とトレンド相場で異なります。
どちらも簡単な方法で売買サインを見極めることが可能です。
ここではボリンジャーバンドの売買サインについて個別に解説していきます。
ボリンジャーバンドの売りサイン
ボリンジャーバンドの売りサインは、レンジ相場とトレンド相場で違います。
レンジ相場の場合、上限下限に設定したσにタッチしたときに売ります。
保有し続けると価格が戻ってくる場合やそのままトレンドを形成し始めることがあるのでσで売りを意識してください。



トレンド相場の場合はバンドが狭くなり始めると売りサインだ
バンドが狭くなり始めたということはレンジ相場を形成し始める可能性が高いです。
レンジ相場のあとは再びトレンド相場が継続することもありますし、逆行してくることもあります。
そのためバンドが狭くなり始めたときはトレンド相場の売りサインだと考えましょう。
ボリンジャーバンドの買いサイン
ボリンジャーバンドの買いサインもレンジ相場とトレンド相場で違います。
レンジ相場の場合は、売りサインと同じく上限下限にタッチしたときに逆張りします。



その他の部分では手を出さないほうがボリンジャーバンドで失敗を減らせるぞ



肝に銘じておきます!
トレンド相場の買いサインは、一方向にバンドを広げ始めたときが買いサインです。
バンドが広がり始めたということは、レンジ相場の終わりが近づいている証拠です。
順張りのエントリー方法になり、設定した上限下限のσが上下に伸びる方向に向かってエントリーしましょう。
ボリンジャーバンドはσにタッチしたら逆張りで覚えているトレーダーが多いですが、それはあくまでレンジ相場のときに考える取引方法です。
トレンド相場の始まりを察知した際は、むしろσにタッチした方向にエントリーして順張りにしましょう。
ボリンジャーバンドを使った取引手法
ボリンジャーバンドを使った取引手法を3種類紹介します。
- 日足のみ活用する取引手法
- 上限下限σを超えたローソク足で坂張りエントリーする取引手法
- バンドウォーク発生時のみエントリーする取引手法
いずれの取引手法もボリンジャーバンドで有効的に使えるので、覚えておいてください。
日足のみ活用する取引手法
ボリンジャーバンドは、時間足ごとにバンドの形状が異なります。
長時間足でレンジ相場のバンドでも短時間足ではトレンド相場のバンドだったということは決して珍しくありません。
結局、どの時間足のボリンジャーバンドが正しいのかわからず、取引手法を構築できない場合もよくあります。
そこで、ボリンジャーバンドで確認する足は日足に限定する取引手法です。
短時間足ではどうしてもボリンジャーバンドのバンドが次々に変化して、レンジ相場なのかトレンド相場なのかはっきり理解できないことが多々あるでしょう。
しかし、日足であれば最後のローソク足のみ集中できます。
特に上限下限のσにローソク足がタッチした状態であれば、バンドが拡張するのか単純移動平均線に向かって戻っていくのか、最後のローソク足を見るだけで理解できます。
たとえば、拡張しそうであればトレンド相場の可能性を踏まえて様子見、単純移動平均線に向かって戻りそうであれば逆張りといった取引手法が可能です。
上限下限σを超えたローソク足で逆張りエントリーする取引手法


上記の画像のようにローソク足がボリンジャーバンドの上限下限σを超えたときに逆張りするエントリーです。
※これは「窓を開けた」状態
開けた窓はいずれ閉まると言いますが、それだけではいつ閉まるかわかりません。
そこで、ボリンジャーバンドを活用します。
ボリンジャーバンドのバンド内にローソク足が戻った時点で決済するだけです。
大きな利益は狙えませんが、利確も損切りも「ボリンジャーバンドのバンド内にローソク足が戻ったとき」という根拠がはっきりしているので手仕舞いしやすいです。
窓を閉めるのはいつになるか不明ですが、ボリンジャーバンドのバンド内に戻るのは確実に起こるので使いやすい取引手法になるでしょう。
バンドウォーク発生時のみエントリーする取引手法
ボリンジャーバンドのバンドウォーク発生時のみエントリーする取引手法です。



バンドウォークは簡単に言えば、明らかにトレンドが発生している状態のことだよ
また、バンドウォーク中は単純移動平均線と上限下限のσでローソク足が収まることが大半です。



ということは、押し目を待ってエントリーすれば良いわけですね!
押し目の大半は単純移動平均線にタッチした部分になり、エントリーする目安も単純明快。
複雑にボリンジャーバンドを捉えるより、バンドウォーク中のみエントリーするほうが成功する確率が高いでしょう。
ボリンジャーバンドを使うときの注意点
ボリンジャーバンドを使うときの注意点は以下の2種類です。
- σに収まる確率を信じない
- ボリンジャーバンドは常に逆張りするものではない
それでは上記に挙げた2種類のボリンジャーバンドの注意点を詳しく解説していきます。
σに収まる確率を信じない
ボリンジャーバンドの各σに収まる確率は90%を超える等、非常に高確率です。
しかし、各σに収まる確率の計算式に関しては公開されていなかったりこじつけに近かったり、疑問点は多くあります。
そのため「ボリンジャーバンドのσに収まる確率は○○だから大丈夫」という考えで売買するのは得策ではありません。
あくまでひとつの確率と考える程度にして、過度に信用するのは避けましょう!



何の保証もないから信じすぎない方がいいわね…
ボリンジャーバンドは常に逆張りするものではない
ボリンジャーバンドの使い方でインターネット検索をすると「σにタッチしたら逆張りする」という取引手法が数多く紹介されています。
たしかにσにタッチして逆張りは完全に間違っているわけではなく、レンジ相場では活躍する場合も多いです。
しかし、トレンド相場においてσにタッチして逆張りをしていては損失ばかり膨らみます。
以上のようにボリンジャーバンドは相場環境によって使い方が異なるため、常にσにタッチしたら逆張りという考えは注意してください。
ボリンジャーバンドと相性の良い組み合わせ
ボリンジャーバンドと相性の良いテクニカル分析指標は複数ありますが、ここでは以下の組み合わせを特に相性の良いものとして紹介します。
- ボリンジャーバンド×RSI
それでは、ボリンジャーバンドとRSIの相性の良い組み合わせについて詳しく解説します。
ボリンジャーバンド×RSIは相性が良い


ボリンジャーバンドとRSIの組み合わせは相性が良いです。
ボリンジャーバンドの上限下限σとRSIの数値を確認。逆張りまたは順張り、両方のテクニカル分析指標が一致した方向にエントリーします。
上記の画像でもボリンジャーバンドのσ上限下限とRSIが合致した価格推移を展開しています。
逆に両方のテクニカル分析指標が合致していない状態でエントリーするのは危険。
かならず合致したときのみエントリーするようにしましょう。
以上のようにボリンジャーバンドとRSIの組み合わせは非常に使いやすく、FX初心者から熟練者まで活用できる取引方法です。


まとめ
今回はテクニカル分析指標のボリンジャーバンドについて詳しく解説してきました。
ボリンジャーバンドは過去のチャートを見るとσに収まっていることが確認でき、初めて見た人は最強のテクニカル分析指標だと勘違いしがちです。
ボリンジャーバンドのバンドは収縮する性質上、σにタッチしたから売買するという取引方法は常に通用しません!
レンジ相場、トレンド相場に応じてボリンジャーバンドの使い方は変更してください。
最後にこのページで解説した重要なポイントをまとめておきました。
- ボリンジャーバンドは5本線で成り立つテクニカル分析指標
- ボリンジャーバンドはMT4/MT5/TradingViewでも使える
- ボリンジャーバンドは逆張りも順張りも使える
- σにタッチして逆張りは常に使える取引方法ではない
- ボリンジャーバンドとRSIの相性は優れている
以上、ボリンジャーバンドに関する知りたい情報の解説を終わります。
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